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歯がボロボロでも治療できる?原因・治し方・費用まで徹底解説

虫歯、歯周病
歯がボロボロでも治療できる?原因・治し方・費用まで徹底解説

「歯がボロボロで、今さら歯医者に行くのが怖い」「どこから治療すればいいのか分からない」

そんな不安を抱えながら、受診を先延ばしにしていませんか。歯の状態が悪化すると、痛みや見た目だけでなく、費用や治療期間への心配も膨らみ、ますます行動しづらくなります。

歯がボロボロになった状態は、虫歯や歯周病の進行、過去の治療中断、生活習慣などが重なり、誰にでも起こります。そして多くの方が「もう手遅れではないか」と悩み続けています。

歯がボロボロでも、段階的な治療によって噛む機能や見た目を取り戻すことは可能です。大切なのは、原因を正しく知り、状態に合った治療方法と費用の目安を理解することです。

本記事では、歯がボロボロになる主な原因、放置した場合のリスク、治療の進め方、選択できる治療方法、気になる治療費の相場までを分かりやすく解説します。

歯科医院選びで後悔しないためのポイントも紹介します。

 

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歯がボロボロになってしまう主な原因

歯がボロボロになる原因には、病気だけでなく日常の癖や体の状態、治療の中断など複数の要因が関係しています。

代表的な原因として、以下があります。

・虫歯と歯周病

・歯への過度な負担

・生活習慣・食習慣

・身体的要因

・歯科治療の遅れや中断

1つずつ解説します。

 

虫歯と歯周病

歯がボロボロになる最大の原因は、虫歯と歯周病の進行です。

虫歯は、細菌が糖分を分解する際に生じる酸によって歯質が溶かされ、進行すると神経に達します。

神経が壊死すると痛みを感じにくくなり、受診の機会を逃した結果、歯の根だけが残る状態に至るケースが少なくありません。

歯周病は、歯を支える骨が吸収される病気で、初期から中等度までは自覚症状が乏しい点が特徴です。

症状に気づいた時点では複数の歯が同時に揺れ始め、噛む機能が急激に低下することがあります。

 

歯への過度な負担

歯にかかる強い力の蓄積も、歯がボロボロになる原因となります。

歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに行われることが多く、歯や詰め物に大きな圧力が加わります。

その結果、歯がすり減る、亀裂が入る、被せ物が外れやすくなるなどのトラブルが生じます。

噛み合わせの乱れも問題です。

歯を失った部分を放置すると、残った歯に負担が集中し、健康だった歯まで折れたり割れたりしてしまいます。

 

生活習慣・食習慣

毎日の生活や食事内容も、歯の状態に大きな影響を与えます。

酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、歯の表面を覆うエナメル質が溶けやすくなり、広範囲にダメージが及びます。

炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘類の過剰摂取が代表例です。

食事や間食の回数が多く口の中に食べ物が残りやすい状態では、唾液による修復作用が追いつかず、虫歯が進行しやすくなります。

 

身体的要因

全身の健康状態や体質も、歯の悪化と深く関係します。

糖尿病などの全身疾患は歯周病を進めやすく、治療の効果にも影響を及ぼします。

唾液量が減少する口腔乾燥症では、細菌の増殖を抑える働きが弱まり、短期間で虫歯や歯周病が進行します。

胃酸が口腔内に逆流する疾患や嘔吐を伴う状態では、強い酸によって歯が急速に溶かされる場合もあります。

 

歯科治療の遅れや中断

歯科治療を途中でやめてしまうことも、深刻な悪化につながります。

仮の詰め物や仮歯は長期間の使用を想定していないため、隙間から細菌が侵入しやすく、内部で虫歯が急速に進む危険があります。

また、歯科医院に対する恐怖心や過去の経験から受診を避け続けると、症状が進行し「治療が難しい状態」と感じやすくなります。

その結果、さらに受診が遅れ、歯がボロボロになる悪循環に陥ることがあります。

関連記事:歯がボロボロすぎて歯医者に行けない方へ|不安を解消する方法

 

歯がボロボロのまま放置するリスク

歯がボロボロの状態を放置すると、歯を失う可能性が高まるだけでなく、全身の健康や日常生活にも深刻な影響が及びます。

・歯を失うリスク

・全身の健康への影響

・生活の質(QOL)の低下

歯の欠損による将来的な問題、体への悪影響、生活の質の低下という観点から解説します。

 

歯を失うリスク

歯が崩れた状態を放置すると、抜歯が避けられない段階に進行する可能性が高くなります。

1本の歯が失われると、隣接する歯が傾いたり、噛み合う歯が伸びたりして噛み合わせ全体が乱れます。

その影響で負担が一部の歯に集中し、健康な歯まで割れたり抜けたりする連鎖が起こります。

歯の欠損が続くと、顎の骨は噛む刺激を失い、徐々に量が減少します。

骨量が少ない状態では、インプラントや入れ歯の選択肢が限られ、治療の難易度や負担が大きくなります。

 

全身の健康への影響

口の中のトラブルは、体全体の健康とも密接に関係しています。

歯周病が進行すると、細菌が血流に入り込みやすくなり、動脈硬化を進める要因となります。

心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まるほか、糖尿病のコントロールが難しくなる場合もあります。

口腔内の清潔が保たれない状態では、細菌が気道に入り、誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。

高齢者にとっては命に関わる疾患です。

噛む回数や噛む力の低下は脳への刺激を減少させ、認知機能の低下と関連するという報告もあります。

 

生活の質(QOL)の低下

歯の機能や見た目が損なわれると、日常生活の満足度は大きく下がります。

硬い食品が噛めなくなると食事の選択肢が狭まり、食べる楽しさが失われます。

十分に噛めない状態は消化器への負担を増やし、体調不良の原因にもなります。

口元の見た目に対する不安から、人前で笑うことや会話を避けるようになり、精神的なストレスが蓄積します。

社会的な交流が減り、気分の落ち込みにつながるケースも見られます。

歯の欠損は発音にも影響を及ぼし、言葉が不明瞭になりやすくなります。意思疎通が難しくなると、仕事や日常会話にも支障が生じます。

 

歯がボロボロな場合の治療の一般的な流れ

歯がボロボロな状態でも、段階を踏んで治療を進めることで、噛む機能や見た目の回復が目指せます。

・カウンセリング・問診

・精密検査・診断

・治療計画の説明

・初期治療(土台作り)

・機能回復(補綴)

・メンテナンス(定期検診)

治療は、話し合いから検査、計画立案、土台作り、補綴処置、定期的な管理という順で進行します。

 

カウンセリング・問診

まずは、カウンセリングで不安や悩みを共有しましょう。

歯科医師は、痛みに対する恐怖、治療費への不安、歯を残したい気持ちなどを丁寧に聞き取ります。

生活背景や過去の治療経験も確認し、無理のない通院方法を考えます。

信頼関係を築けるかどうかを判断する重要な時間でもあります。

 

精密検査・診断

口腔内の状態を正確に把握するため、詳細な検査を行います。

レントゲンやCTで歯の根や顎の骨を確認し、口腔内写真で見た目や噛み合わせを記録します。

歯周病検査では歯ぐきの状態や骨の減少度合いを調べ、総合的な診断につなげます。

 

治療計画の説明

検査結果をもとに、複数の治療方針が示されます。

残せる歯と補う歯の判断、治療の順序、通院期間、費用の目安などが説明されます。

治療の最終目標を共有し、納得できる内容になるまで話し合いを重ねます。

 

初期治療(土台作り)

本格的な修復に入る前に、口腔内の環境を整えます。

強い痛みがある場合は早期に対処し、歯石除去や虫歯の処置で細菌量を減らします。

保存が難しい歯は抜歯を検討し、噛み合わせや見た目を保つため仮歯を使用することもあります。

 

機能回復(補綴)

口腔環境が安定した段階で、噛む力と外見の回復を図ります。

神経治療を終えた歯には被せ物を装着し、歯を失った部分には入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの方法で歯を補います。

食事や会話がしやすい状態へ近づけていきます。

 

メンテナンス(定期検診)

治療終了後も管理は続きます。

定期検診では、噛み合わせの確認や専門的な清掃を行います。

日常の磨き方や生活習慣の見直しを行い、再発を防ぎながら健康な状態を維持します。

 

歯がボロボロでも行える治療方法

歯がボロボロな状態でも、口腔内の状況に応じた治療方法を選択することで、噛む機能や見た目の回復が可能です。

代表的な選択肢として、被せ物、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。

それぞれ適応や特徴が異なります。

 

被せ物(差し歯)

歯の根が残っている場合は、被せ物による治療が検討できます。

虫歯部分を除去し、根の中を清掃した後に土台を作り、人工の歯を装着します。


天然歯の根を活かすため、噛んだ感覚が保たれやすい点が特徴です。

素材には保険診療のものと自費診療のものがあり、見た目や耐久性を重視した選択も可能です。

歯を残したい希望がある場合に適した方法です。

 

ブリッジ

歯を失った本数が少ない場合には、ブリッジが候補になります。

失われた部分の両側にある歯を支えとして利用し、連結した人工歯を固定します。

固定式のため装着時の安定感があり、食事や会話がしやすい点が利点です。

一方で、支えとなる歯を削る必要があり、負担がかかる点は理解しておく必要があります。

 

入れ歯(部分入れ歯・総入れ歯)

歯を多数失っている場合や、外科処置を避けたい場合には入れ歯が選ばれます。

部分入れ歯は残っている歯を支えにして使用し、総入れ歯は歯ぐき全体で支えます。

近年は見た目に配慮した設計や装着感を高めた種類も増えています。

取り外して清掃できるため、衛生管理がしやすい点が特徴です。

 

インプラント

歯の欠損部分に人工の根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。

周囲の歯を削らずに済み、強い噛む力を回復しやすい点が魅力です。

外科処置を伴うため、全身状態や顎の骨量を確認した上で判断します。

見た目の自然さや耐久性を重視する場合に選択されることが多い治療法です。

 

歯がボロボロの治療にかかる費用

歯がボロボロの治療費は、選択する治療方法や保険診療か自費診療かによって大きく異なります。

代表的な治療ごとの費用目安を把握しておくことで、無理のない治療計画を立てやすくなります。

 

詰め物・被せ物(クラウン)

保険診療では、銀歯やレジン素材が中心となり、3割負担の場合で1本あたり数千円から1万円前後が目安です。

条件を満たす場合は白い素材が使用されることもあります。

自費診療では、セラミックやジルコニアなど審美性と耐久性を重視した素材が選択され、1本あたり数万円から10万円を超えることもあります。

見た目を重視したい方や汚れの付着を抑えたい方に選ばれています。

 

ブリッジ(歯を失った場合)

保険診療の場合、金属を用いた構造が基本となり、3本分で3万円から4万円台が一般的です。

自費診療では、セラミックやジルコニアを使用した自然な仕上がりが可能で、1部位あたり20万円台から50万円以上になるケースもあります。

 

入れ歯

保険診療では、部分入れ歯で2万円前後、総入れ歯で3万円前後が目安です。

素材は主にプラスチックで、修理しやすい点が特徴です。

自費診療では、金属床や目立ちにくい構造の入れ歯が選択でき、部分入れ歯で10万円から40万円、総入れ歯で30万円から70万円程度が一般的です。

 

インプラント(自費診療)

費用は1本あたり40万円から70万円以上が目安で、手術費用や被せ物代を含みます。

骨量が不足している場合は追加処置が必要になり、総額が上がることもあります。

噛む力や見た目を重視する方に選ばれる治療法です。

関連記事:歯がボロボロの治療費用を紹介|治療費を払えない対処方法は?

 

歯がボロボロの治療で後悔しない歯医者選び

歯がボロボロの治療で満足できる結果を得るためには、歯科医院選びが非常に重要です。

カウンセリングの姿勢、痛みへの配慮、治療計画と費用説明の分かりやすさが、安心して治療を続けられるかどうかを左右します。

 

カウンセリングを重視しているか

治療技術だけでなく、患者の気持ちに向き合う姿勢が欠かせません。

落ち着いて話せる相談スペースがあり、不安や恥ずかしさも含めて丁寧に聞き取る体制が整っている歯科医院は信頼しやすい傾向があります。

過去の生活習慣や治療中断を否定せず、今後の改善策を一緒に考える姿勢も重要です。

加えて、治療内容や費用について相談できる専任スタッフが在籍している場合、疑問を抱え込まずに済みます。

 

痛みへの配慮・治療体制

歯科治療に対する恐怖心が強い場合、痛みへの対応は歯科医院選びの大きな判断材料になります。

表面麻酔や電動麻酔器を使用し、刺激を抑える工夫を行っているかを確認すると安心です。

静脈内鎮静法に対応している歯科医院では、緊張を和らげた状態で治療を受けられます。

歯科用CTや拡大視野で処置できる機器を備えている環境も、精度の高い治療につながります。

 

治療計画と費用説明の丁寧さ

治療後の不満を避けるためには、事前説明の分かりやすさが欠かせません。

複数の治療方法を提示し、保険診療と自費診療の違いを比較しながら説明する歯科医院は信頼度が高いといえます。

治療期間や総額費用を明記した書面を提示し、最終的な口元や噛み合わせのイメージを視覚的に示す説明があると、納得したうえで治療に進みやすくなります。

 

まとめ

歯がボロボロの状態は、虫歯や歯周病の進行、歯への負担、生活習慣、身体的要因、歯科治療の中断などが重なって起こります。

放置すると歯を失うリスクが高まり、全身の健康や生活の質にも悪影響が及びますが、段階的な治療を行うことで回復を目指すことは十分可能です。

治療はカウンセリングや検査から始まり、口腔内環境を整えたうえで、被せ物、ブリッジ、入れ歯、インプラントなど状態に合った方法を選択します。

費用は保険診療と自費診療で大きく異なるため、治療内容とあわせて事前に理解することが重要です。

歯がボロボロでも一人で悩まず、治療の選択肢や流れを知ったうえで信頼できる歯科医院に相談することで、噛める口元と安心した生活を取り戻すことができます。

 

監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)

 

歯がボロボロでも治療できる?原因・治し方・費用まで徹底解説

医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長

1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院

 

資格

・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医

 

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