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上の奥歯のインプラントは難しい?骨が足りない場合の治療法を解説

インプラント
上の奥歯のインプラントは難しい?骨が足りない場合の治療法を解説

上の奥歯を失ってしまい、「インプラントをしたいけれど、骨が足りないと言われた」「難しい部位だから不安」と感じている方は多いのではないでしょうか。

上顎の奥歯は、骨が薄く上顎洞(サイナス)という空洞が近いため、確かに難易度の高い部位とされています。

しかし、医療技術の進歩によって、骨が少なくてもインプラントが可能なケースが増えています。

骨を再生させる「サイナスリフト」や「ソケットリフト」などの治療法を行うことで、以前は難しかった症例でも安全に治療を進めることができるようになりました。

この記事では、上の奥歯のインプラントが難しいと言われる理由から、骨が足りない場合の治療方法、治療を成功させるためのポイントまで詳しく解説します。

 

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上の奥歯のインプラントはなぜ難しいと言われるのか

上の奥歯のインプラント治療は、骨の性質や解剖学的構造が複雑なため、高度な技術を要します。

主な要因は次の3つです。

・上顎は骨密度が低くインプラントが安定しにくい

・上顎洞(サイナス)が近く、埋入位置が制限される

・上顎洞を傷つけると上顎洞炎のリスクがある

上顎の構造的特徴を理解した上で、慎重な計画と技術が必要です。

 

上顎は骨密度が低くインプラントが安定しにくい

上顎の骨は下顎に比べて柔らかく、骨密度が低い傾向があります。

骨が軟らかいと埋入直後の固定力が弱く、インプラントと骨が結合するまでの期間が長くなります。

下顎では2〜3か月で結合することが多いのに対し、上顎では4〜6か月を要する場合があります。

骨密度が低い状態では噛む力の伝わり方が不均一になり、結合が不安定になりやすくなります。

埋入の角度やインプラントの形状を工夫し、骨の質に合わせた設計を行うことが求められます。

 

上顎洞(サイナス)が近く、埋入位置が制限される

上の奥歯の根のすぐ上には「上顎洞」と呼ばれる空洞があります。

奥歯を失うと空洞が下方向に広がり、インプラントを支える骨の高さが不足します。

骨が十分でない状態では、インプラントが上顎洞に達する危険があり、埋入可能な深さや角度が限られます。

この問題に対処するために、サイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成手術で骨を増やす処置が行われます。

上顎洞の位置を正確に把握したうえで計画を立てることが、治療成功の条件になります。

 

上顎洞を傷つけると上顎洞炎のリスクがある

上顎洞の内部は「シュナイダー膜」と呼ばれる薄い粘膜で覆われています。

インプラント埋入時にこの膜を損傷すると、上顎洞炎(副鼻腔炎)を発症する危険があります。

炎症が起こると鼻づまりや頭痛、頬の圧迫感などが生じ、治療期間が長引く要因になります。

上顎洞の粘膜を傷つけないためには、CTで骨の高さを正確に測定し、繊細な操作が可能な技術が求められます。

骨構造を熟知した歯科医師による慎重な埋入が、トラブルを防ぐための最も確実な手段です。

 

上の奥歯の骨が薄くなる主な原因

上の奥歯の骨が薄くなるのは、長期間の刺激不足や炎症、もともとの骨形態が関係しています。

特に以下の4つが主な原因です。

・抜歯後に長期間放置して骨が吸収された

・入れ歯やブリッジ治療による骨の萎縮

・歯周病によって骨が溶けた

・生まれつき骨が薄いタイプもある

上顎の骨は他の部位に比べて変化しやすく、状態を正確に把握する診断が欠かせません。

 

抜歯後に長期間放置して骨が吸収された

歯を失った部分の骨は、噛む刺激がなくなると次第に細くなります。

骨は「使わない部分」と判断されると吸収が進み、半年から1年ほどで明らかな減少が起こります。

上顎ではさらに上顎洞が拡大する傾向があり、インプラントを支えるための骨の高さが失われます。

骨吸収が進行した状態では、通常のインプラント埋入が困難になることがあります。

 

入れ歯やブリッジ治療による骨の萎縮

入れ歯やブリッジは噛む力を歯茎や隣の歯で支える構造です。

骨に直接刺激が伝わらないため、時間の経過とともに骨が少しずつ痩せていきます。

入れ歯を長期間使うと、粘膜への圧力で骨の形が変わり、義歯の安定性も低下します。

ブリッジでも同様に、欠損部分の骨は刺激を受けず、わずかずつ吸収が進みます。

 

歯周病によって骨が溶けた

歯周病は歯茎だけでなく、歯を支える骨まで破壊する病気です。

炎症が長く続くと、上の奥歯を支える骨が溶け、インプラントを埋入するための厚みが失われます。

歯周病が進行した状態でインプラント治療を行うと、感染の再発や結合不良を起こす可能性があります。

治療を検討する際は、まず歯周病を完全にコントロールし、骨の再生処置を行うことが必要です。

 

生まれつき骨が薄いタイプもある

生まれつき上顎の骨が細く、上顎洞が広い人は、インプラントを埋めるための骨量が足りない場合があります。

体質や骨格の特徴によって骨の厚みが少ない人では、適切な位置や角度での埋入が難しくなります。

CTで骨の高さと幅を正確に測定し、安全な手術計画を立てる必要があります。

骨が薄い場合は、サイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成術で補強を行うことで、治療の成功率を高められます。

 

骨が足りない場合でもインプラントを可能にする治療法

上の奥歯の骨が足りない場合でも、骨造成術(こつぞうせいじゅつ)や埋入方法を工夫することでインプラント治療は可能です。

代表的な方法は以下の4つです。

・サイナスリフト

・ソケットリフト

・GBR法

・傾斜埋入法・ショートインプラント

骨の状態や不足量に合わせて最適な方法を選ぶことで、上の奥歯でも安定したインプラント治療が行えます。

 

【サイナスリフト】上顎洞を持ち上げて骨を造成する方法

上顎の奥歯にある骨の高さが5mm未満の場合に適用される治療法です。

歯茎の横側(頬側)から上顎洞の壁に小さな穴を開け、シュナイダー膜を慎重に剥がして上に持ち上げます。

その空間に自家骨や人工骨を充填して、インプラントを支える十分な骨量を再生します。

骨造成量が多い場合は、骨の再生を待ってからインプラントを埋入します(約4〜6か月)。

骨が安定しているケースでは、造成と同時に埋入を行うことも可能です。

骨を大きく再生できる一方で、難易度が高く、経験豊富な歯科医師による施術が望まれます。

 

【ソケットリフト】部分的に骨を再生してインプラントを支える方法

骨の高さが5〜10mm程度残っている場合に行う方法です。

インプラントを埋め込むために開けた穴(ソケット)から、専用の器具でシュナイダー膜を少しだけ押し上げ、できた空間に人工骨を入れます。

上顎洞を大きく開ける必要がないため、体への負担が少なく、同時にインプラントを埋入することが可能です。

サイナスリフトに比べて処置範囲が小さく、治療期間も短く済むことが多いです。

骨がある程度残っている方に向いている方法で、術後の腫れや痛みも軽減されやすい特徴があります。

 

【GBR法】自家骨や人工骨で骨を再生する方法

骨の幅や高さが足りない部分に対して行う骨再生法です。

欠損部に自家骨や人工骨を置き、その上をメンブレン(特殊な膜)で覆います。

この膜が軟組織の侵入を防ぎ、骨が再生するための空間を確保します。

骨がしっかり形成されるまでには数か月を要します。

サイナスリフトやソケットリフトと併用することで、より安定した骨造成が可能です。

部分的な骨欠損にも対応でき、治療計画の柔軟性が高い方法です。

 

【傾斜埋入法・ショートインプラント】骨造成を行わずに埋入する方法

骨造成を避けたい方や、手術の負担を抑えたい方に選択される方法です。

傾斜埋入法では、骨が比較的残っている部位を狙って斜めにインプラントを埋入します。

長いインプラントを使用できるため、固定力を高めやすく、治療期間の短縮が期待できます。

ショートインプラントは、骨の高さが低い場合に短いインプラント体を使用します。

上顎洞に達することなく埋入できるため、骨造成を行わずに治療が可能です。

ただし、長いインプラントと比べて噛む力の負荷分散が難しく、正確な位置と角度のコントロールが求められます。

 

上の奥歯をインプラントで治療するメリット・デメリット

上の奥歯をインプラントで治療することには、噛む力の回復・骨の維持・周囲の歯の保護といった大きな利点があります。

一方で、骨の状態や治療工程による負担、費用、期間といった点にも注意が必要です。

 

インプラントのメリット

噛む力が戻り、食事を楽しめる

インプラントは骨に人工歯根を固定するため、天然の歯とほぼ同等の噛む力を得られます。

入れ歯のようなズレや違和感がなく、硬い食材や粘りのある食べ物も安定して噛めます。

食事中に痛みを感じることが少なくなり、食生活全体の満足度が高まります。

 

骨吸収を防ぎ、顔の形を保つ

歯を失った部分は刺激がなくなると、骨が次第に痩せていきます。

インプラントは噛む力を骨に直接伝えるため、骨が維持されやすく、吸収を防ぐことができます。

骨が減らないことで、頬がこける・口元が下がるといった見た目の変化を防ぎ、自然な輪郭を保ちやすくなります。

 

周囲の歯に負担をかけない

ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がなく、残っている歯への負担を軽減できます。

インプラントは独立して固定されるため、噛む力が均等に分散され、他の歯の寿命を延ばす効果も期待できます。

長期的に見て、口全体のバランスを保つうえで有利な治療法です。

 

インプラントのデメリット

骨造成が必要になる場合がある

上の奥歯は上顎洞が近く、骨の高さが足りないことが多い部位です。

骨が不足していると、インプラントを安定させるためにサイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成術が必要になります。

外科的な処置が加わるため、治療期間が延びることや術後の腫れが出る場合もあります。

 

治療費が高額で自由診療

インプラント治療は保険適用外の自由診療です。

1本あたりの費用は30万〜60万円が目安で、骨造成を行う場合はさらに高額になる傾向があります。

長期的に使用できる耐久性を考慮すると、費用に見合う価値がある治療ですが、事前に見積もりを確認しておくことが大切です。

 

治療期間が長くなるケースもある

インプラントは骨と結合するまでに一定の時間が必要です。

上顎は骨密度が低く、結合に4〜6か月程度かかることがあります。

骨造成を行った場合は再生期間を含め、全体の治療期間が半年〜1年に及ぶこともあります。

 

上の奥歯のインプラント治療を検討している方へ

上の奥歯のインプラントは、骨の状態に左右されやすい治療ですが、最新の技術を活用すれば多くのケースで治療が可能です。

安全で確実な治療を行うためには、事前の検査と歯科医院選びが欠かせません。

・骨が少なくても治療できるケースが増えている

・まずはCT検査で骨の状態をチェックする

・信頼できる歯科医院でカウンセリングを受ける

 

骨が少なくても治療できるケースが増えている

「骨が足りないからインプラントは難しい」と言われた経験がある方でも、治療が可能になるケースが増えています。

医療技術の進歩によって、サイナスリフトやソケットリフトといった骨造成術の成功率が向上しています。

これらの方法を用いれば、以前は不可能とされた重度の骨量不足の症例でも、安定したインプラント埋入が可能です。

骨造成を避けたい場合は、骨が比較的多く残っている部分を狙って埋入する傾斜埋入法や、短いインプラントを使用するショートインプラントなどの選択肢もあります。

個々の骨の状態に合わせて最適な治療法を選ぶことで、機能性と安全性の両立を目指せます。

 

まずはCT検査で骨の状態をチェックする

上の奥歯にインプラントを行う際は、CT検査による正確な骨の診断が欠かせません。

上顎洞の位置、骨の高さ、骨密度、神経や血管の走行を三次元的に確認することで、最も安全な埋入位置を把握できます。

CT画像をもとに、骨造成が必要かどうか、どの方法が適しているかを判断します。

平面のレントゲンでは見えにくい細かな構造まで確認できるため、上顎奥歯のような難易度の高い部位の治療には不可欠な工程です。

正確な診断が、治療後の安定性や長期的な成功に直結します。

 

信頼できる歯科医院でカウンセリングを受ける

上の奥歯のインプラントは、骨の状態によって治療の難易度が大きく変わります。

安全に治療を進めるには、骨造成術やサイナスリフトの経験が豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。

カウンセリングでは、CT画像をもとに骨の状態や治療の流れを詳しく説明してもらいましょう。

提案された治療法の根拠、治療期間、費用、リスクなどを理解した上で判断することが大切です。

一方的な説明ではなく、質問に丁寧に答えてくれる歯科医院で相談することで、安心して治療を進められます。

 

まとめ

上の奥歯のインプラントは、骨の密度が低く、上顎洞が近いことから難易度が高い治療とされています。

しかし、サイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成術の発達により、骨が少ないケースでも治療が可能になっています。

CT検査で骨の状態を正確に把握し、経験豊富な歯科医師が適切な方法を選択すれば、長期的に安定した結果を得ることができます。

インプラントは、噛む力の回復・見た目の自然さ・周囲の歯への負担軽減といった多くの利点を持つ治療です。

骨が足りないと諦めず、まずは専門の歯科医院でカウンセリングを受けることが大切です。

正確な診断と丁寧な治療計画のもとで進めれば、上の奥歯でも快適に噛める環境を取り戻すことができます。

 

監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)

上の奥歯のインプラントは難しい?骨が足りない場合の治療法を解説

医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長

1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院

 

資格

・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医

 

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