インプラントの値段の違いはどこで決まる?費用相場と歯科医院選びのポイント
インプラント治療の費用を調べると、1本10万円台と表示されているものから、50万円を超えるものまで、大きな価格差があることに驚く方も多いのではないでしょうか。
インプラント治療は、原則として健康保険が適用されない自由診療です。歯科医院が独自に料金を設定できるため、「なぜ医院によって値段が違うのか」「安いインプラントを選んでも問題ないのか」と不安に感じる方も少なくありません。
インプラントの値段には、使用するメーカー、上部構造の素材、検査・診断の内容、症例の難易度、保証、メンテナンスなど、さまざまな要素が関係しています。ただし、治療費が高ければ必ず質が高く、安ければ危険というわけではありません。
重要なのは、広告に表示された金額だけで判断せず、治療に必要な費用がどこまで含まれているかを確認することです。
本記事では、インプラント1本にかかる費用の目安や値段に差が生じる理由、追加費用がかかるケース、歯科医院を比較する際のポイントを解説します。
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インプラント1本あたりの値段相場
インプラント治療には全国一律の価格がなく、歯科医院によって料金設定や表示価格に含まれる内容が異なります。
一般的には、検査・診断、インプラント体の埋入手術、アバットメント、上部構造などを合わせて、1本あたり数十万円の費用がかかります。骨造成や静脈内鎮静法などが必要な場合は、追加費用が発生します。
また、「インプラント1本○万円」という表示だけでは、インプラント体のみの価格なのか、手術料や上部構造まで含まれているのか判断できません。歯科医院を比較する際は、表示価格ではなく、必要な処置を含めた総額を確認することが大切です。
関連記事
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・インプラント1本の費用はいくら?前歯と奥歯の値段を紹介
インプラント治療にかかる費用の内訳
インプラント治療では、インプラント本体の代金以外にもさまざまな費用がかかります。
主な費用項目は、以下のとおりです。
・カウンセリング・検査・診断料
・インプラント本体の費用
・アバットメントの費用
・上部構造(被せ物)の費用
・手術・麻酔にかかる費用
・治療後のメンテナンス費用
費用項目の名称や、料金に含まれる範囲は歯科医院によって異なります。インプラント本体、手術料、アバットメントなどがセット料金になっている場合もあるため、見積書の内訳まで確認しましょう。
カウンセリング・検査・診断料
インプラント治療を始める前には、口腔内や顎の骨、全身の健康状態を確認するための検査・診断を行います。
主な内容は、カウンセリング、レントゲン撮影、歯科用CT撮影、口腔内写真の撮影、歯周病検査、治療計画の作成などです。
歯科用CTを使用すると、顎の骨の幅や高さだけでなく、神経や血管、上顎洞などの位置を三次元的に確認できます。その結果をもとに、インプラントを埋入する位置や角度、使用するインプラントの長さなどを検討します。
検査内容や診断料は歯科医院ごとに異なります。CT撮影や治療計画の作成費用が表示価格に含まれているか、事前に確認しておきましょう。
インプラント本体の費用
インプラント本体は、顎の骨に埋め込む人工歯根にあたる部分です。主にチタンやチタン合金などで作られています。
メーカーによって、インプラント体の形状、表面性状、サイズ、対応する部品、臨床データの蓄積、供給体制などが異なります。
ただし、高価なメーカーであれば必ず長持ちする、低価格のメーカーであれば品質が低いとは限りません。
使用するメーカー名や国内での承認状況、臨床実績、将来的な部品供給の見通しについて、事前に説明を受けることが大切です。
アバットメントの費用
アバットメントとは、顎の骨に埋め込んだインプラント体と上部構造をつなぐ部品です。
インプラント体の位置や歯肉の形に合わせて、上部構造の角度や高さを調整します。素材にはチタンやジルコニアなどがあり、患者さんの口腔内に合わせて作製するカスタムアバットメントが選ばれる場合もあります。
歯科医院によっては、アバットメントの費用が手術料や上部構造の費用に含まれています。見積書に独立した項目がない場合は、どの料金に含まれているのかを尋ねておきましょう。
上部構造(被せ物)の費用
上部構造は、インプラントの上に装着する人工の歯です。実際に食べ物を噛むだけでなく、口を開けたときに外から見える部分でもあります。
上部構造には、ジルコニアやセラミック、金属を使った材料など、複数の選択肢があります。素材ごとに見た目、強度、摩耗のしやすさ、破損した際の修理方法が異なります。
前歯では自然な見た目が重視され、奥歯では強い噛む力に耐えられる素材が求められる傾向があります。価格だけで決めず、治療部位や噛み合わせに適した素材を歯科医師と相談して選びましょう。
手術・麻酔にかかる費用
インプラントを顎の骨に埋め込む手術には、歯科医師の技術料、使用する器具や材料、感染対策にかかる費用などが含まれます。
局所麻酔の費用は手術料に含まれる場合がありますが、静脈内鎮静法や全身麻酔を利用すると、別途費用がかかることがあります。
また、サージカルガイドを使用する場合や、複数本のインプラントを同時に埋入する場合も、歯科医院の料金体系によって追加費用が発生します。
治療後のメンテナンス費用
インプラントを長く使用するためには、治療後も定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスでは、インプラント周囲の清掃状態、歯肉の炎症、噛み合わせ、上部構造やネジの緩みなどを確認します。必要に応じて、専門的なクリーニングや噛み合わせの調整も行います。
インプラントの周囲には、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎が生じることがあります。炎症が進行すると周囲の骨が失われる可能性があるため、毎日のセルフケアと歯科医院での継続的な管理が欠かせません。
適切なメンテナンスの間隔は、歯周病歴や清掃状態、噛み合わせなどによって異なります。頻度や1回あたりの料金について、治療前に確認しておきましょう。
インプラントの値段に違いが出る8つの理由
インプラントの値段は、使用する材料だけで決まるものではありません。検査内容、症例の難易度、治療環境、保証など、複数の要素が関係しています。
値段に違いが出る主な理由は、以下の8つです。
・インプラントは自由診療で歯科医院ごとに料金設定が異なるため
・使用するインプラントメーカーが違うため
・上部構造の素材が違うため
・検査・診断設備や手術環境が違うため
・治療部位や症例の難易度が違うため
・保証やアフターケアの内容が違うため
・歯科医院の立地条件が違うため
・歯科医師の経験や治療体制が違うため
1つずつ解説します。
インプラントは自由診療で歯科医院ごとに料金設定が異なるため
一般的なインプラント治療は、原則として健康保険が適用されない自由診療です。
保険診療のように全国一律の料金が定められていないため、各歯科医院が材料費、設備費、人件費、保証内容、診療体制などを考慮して料金を設定します。
ただし、腫瘍や外傷などによって顎の骨を広範囲に失った場合は、一定の症例要件と施設基準を満たすことで、健康保険が適用されることがあります。
虫歯や歯周病によって歯を失った場合の一般的なインプラント治療は、原則として保険適用外です。
関連記事:インプラントは保険適用される?適用条件や費用を抑えるコツを解説
使用するインプラントメーカーが違うため
インプラントは、国内外のさまざまなメーカーによって製造されています。
メーカーごとに、製品の価格、インプラント体の形状や表面性状、対応するサイズ、臨床データ、部品の種類、供給体制などが異なります。
長期間使用することを考えると、国内での流通状況や交換部品の入手しやすさ、転院した場合にも対応できるかを確認しておくことが重要です。
大手メーカーであれば必ず長持ちする、低価格のメーカーであれば安全性が低いというわけではありません。製品の特徴や、自分の症例に適している理由について説明を受けましょう。
上部構造(被せ物)の素材が違うため
上部構造の値段は、使用する素材によって変わります。
ジルコニアやセラミックは天然歯に近い色調を再現しやすく、金属を使わない選択肢もあります。一方で、素材や製作方法によっては、欠けや破損、噛み合う歯への影響にも配慮が必要です。
上部構造を製作する歯科技工所や歯科技工士、設計方法などによっても費用は異なります。
見た目だけでなく、噛み合わせ、治療部位、破損した場合の修理方法なども比較しましょう。
検査・診断設備や手術環境が違うため
歯科医院によって、導入している検査機器や手術支援設備は異なります。
歯科用CTや画像解析ソフト、サージカルガイド、生体情報モニター、緊急時の対応設備などを使用する場合、その導入費や維持費が治療費に反映されることがあります。
インプラント手術では、器具の滅菌や清潔域の確保など、適切な感染対策も必要です。
ただし、専用の手術室があるだけで安全性が保証されるわけではありません。設備の有無だけでなく、検査内容や感染対策、緊急時の対応体制まで含めて確認しましょう。
治療部位・症例の難易度・追加処置の有無が違うため
同じ1本のインプラント治療でも、口腔内の状態によって必要な処置は異なります。
顎の骨が不足している場合は、骨造成やサイナスリフトなどが必要になることがあります。歯肉が薄い場合には、歯肉移植が検討されることもあります。
前歯では、上部構造の色や歯肉の形など、見た目への配慮が求められます。一方、上顎の奥歯では、上顎洞との位置関係によって骨造成が必要になる場合があります。
治療部位だけでなく、骨や歯肉の状態、治療本数、追加処置の有無によって総額が変わります。
保証やアフターケアの内容が違うため
歯科医院によって、インプラント体や上部構造の保証期間、保証範囲、適用条件が異なります。
保証を受けるために、指定された間隔でメンテナンスを受けることや、禁煙などの条件が設けられている場合があります。
再治療の費用が全額保証されるのか、一部が自己負担になるのかも歯科医院ごとに異なります。
保証期間の長さだけでなく、対象となるトラブルや患者さんの負担額、適用されない条件を、書面で確認しておきましょう。
歯科医院の立地条件が違うため
歯科医院の家賃や人件費、周辺地域の物価も、自由診療の料金に影響する可能性があります。
都心部や駅前など利便性の高い場所にある歯科医院は、郊外の医院より固定費が高くなる傾向があります。
ただし、立地だけで治療費が決まるわけではありません。設備や診療体制、使用する材料なども含めて比較しましょう。
歯科医師の経験や治療体制が違うため
インプラント治療では、顎の骨や神経、血管の位置を把握し、患者さんの状態に合った治療計画を立てる必要があります。
担当医の研修歴や治療経験、自分と似た症例を担当した経験は、歯科医院を選ぶ際の判断材料になります。
ただし、症例数が多いことや、専門医・認定医などの資格があることだけで、治療結果が保証されるわけではありません。
治療計画の説明、合併症が起きた場合の対応方針、難しい症例に対応できる医療機関との連携体制なども確認しましょう。
インプラント治療で追加費用がかかるケース
インプラント治療では、口腔内の状態や希望する治療方法によって、基本料金以外の費用がかかる場合があります。
主なケースは、以下のとおりです。
・顎の骨が足りず骨造成が必要な場合
・サイナスリフトやソケットリフトが必要な場合
・静脈内鎮静法を利用する場合
・抜歯や歯周病治療が必要な場合
1つずつ解説します。
顎の骨が足りず骨造成が必要な場合
顎の骨の幅や高さが不足していると、インプラントを適切な位置に埋入し、安定させることが難しくなります。
その場合は、人工骨や患者さん自身の骨などを使い、骨を補う骨造成を行うことがあります。
骨造成には複数の方法があり、必要な骨の量や治療部位によって処置内容が異なります。インプラントの埋入と同時に行う場合と、骨造成後の治癒を待ってから埋入する場合があります。
サイナスリフトやソケットリフトが必要な場合
上顎の奥歯部分では、歯を失った後に骨が薄くなり、インプラントを埋入するための高さが不足することがあります。
その場合、上顎洞の粘膜を持ち上げ、骨補填材などを入れて骨の高さを確保します。
骨の不足が比較的少ない場合はソケットリフト、広い範囲の骨造成が必要な場合はサイナスリフトが検討されます。適切な方法は、CT検査などの結果をもとに歯科医師が判断します。
静脈内鎮静法を利用する場合
静脈内鎮静法は、鎮静薬を静脈から投与し、手術に対する不安や緊張を和らげる方法です。
一般的な意識下鎮静では、呼びかけに反応できる程度の意識を保ちながら治療を受けます。静脈内鎮静法だけでは手術部位の痛みを取り除けないため、インプラント手術では局所麻酔も併用します。
鎮静中は、呼吸、血圧、脈拍、酸素飽和度などを確認できる体制が必要です。
抜歯や歯周病治療が必要な場合
インプラントを埋入する部位に、保存が難しい歯が残っている場合は、事前または手術と同時に抜歯を行うことがあります。
歯周病による炎症や口腔衛生上の問題がある場合は、感染リスクを抑えるため、歯周病治療や清掃状態の改善を行ってからインプラント治療を進めます。
抜歯や歯周病治療にかかる費用、インプラント治療を始められる時期は、口腔内の状態によって異なります。
格安インプラントを選ぶ前に確認したい注意点
平均的な価格帯よりも大幅に安いインプラント治療を検討するときは、価格が抑えられている理由と、料金に含まれる範囲を確認しましょう。
主な確認事項は、以下のとおりです。
・表示価格に検査費や上部構造の費用が含まれているか
・治療中や治療後に追加費用が発生する条件
・使用するメーカーや材料が明示されているか
・検査・診断や感染対策の内容
・保証期間や保証の適用条件
・価格が抑えられている理由
それぞれ解説します。
表示価格に検査費や被せ物代が含まれていないことがある
広告やホームページの価格が、インプラント体や埋入手術だけを対象としている場合があります。
検査・診断料、アバットメント、上部構造、麻酔、薬、仮歯、術後の診察などが別料金であれば、最終的な支払額は表示価格より高くなります。
「1本○万円」という数字だけで比較せず、含まれる費用と含まれない費用を確認してください。
治療中や治療後に追加費用が発生することがある
治療前の見積もりに、骨造成、静脈内鎮静法、サージカルガイドなどの費用が含まれていないことがあります。
また、治療途中の状態変化や、事前の検査だけでは判断できなかった状況により、治療計画の変更が必要になる場合もあります。
追加処置を提案されたときは、目的や選択肢、費用について説明を受け、納得したうえで治療を進めましょう。
使用するメーカーや材料が明示されていないことがある
広告に掲載された価格だけでは、使用するインプラントメーカーや上部構造の素材まで分からない場合があります。
治療前に、メーカー名、製品名、上部構造の素材、国内での流通状況、将来的な部品供給について説明を受けてください。
製造国や価格だけで判断せず、臨床データや供給体制なども確認することが重要です。
検査・診断や手術環境に違いがある
歯科医院によって、歯科用CT、画像解析ソフト、サージカルガイド、生体情報モニターなどの導入状況は異なります。
器具の滅菌方法、清潔域の確保、緊急時の対応体制にも違いがあります。
ただし、治療費が安いことだけを理由に、検査や感染対策が不十分だと判断することはできません。どのような検査や安全管理を行っているか、具体的な説明を受けましょう。
保証期間や保証条件が十分でないことがある
インプラントの保証内容は、歯科医院によって異なります。
インプラント体の脱落、上部構造の破損、ネジの緩みなど、どのトラブルが保証対象になるかを確認してください。
また、定期的なメンテナンスが必要か、喫煙や事故による破損は対象外か、再治療時に自己負担があるかも重要です。
保証内容は、口頭の説明だけでなく書面で確認しましょう。
安い治療がすべて危険とは限らない
治療費が低いからといって、必ずしも治療の質や安全性に問題があるとは限りません。
使用するインプラントを限定して管理を効率化するなど、合理的な理由で価格を抑えている歯科医院もあります。
一方、高額な治療がすべての患者さんに適しているとも限りません。
料金に含まれる項目、使用する製品、検査内容、担当医の説明、保証、メンテナンス体制を総合的に比較しましょう。
インプラントの値段を比較して歯科医院を選ぶポイント
歯科医院を選ぶ際は、表示価格だけでなく、治療内容や説明体制も比較することが大切です。
主な確認ポイントは、以下のとおりです。
・治療完了までにかかる総額
・見積書に含まれる費用項目
・使用するインプラントメーカーと上部構造の素材
・担当医の経験や説明内容
・保証期間と保証の適用条件
・メンテナンスの頻度と費用
・必要に応じたセカンドオピニオン
それぞれ説明します。
表示価格ではなく治療完了までの総額を確認する
広告やホームページの表示価格だけでなく、上部構造を装着し、初期の経過観察を終えるまでに必要な総額を確認しましょう。
治療後に継続して必要となるメンテナンスの頻度と料金も、長期的な費用に含めて考える必要があります。
複数の見積もりを比較する場合は、料金に含まれる範囲をそろえることが大切です。
見積書に含まれる費用項目を確認する
見積書を受け取ったら、総額だけでなく内訳も確認してください。
主な確認項目は、以下のとおりです。
・検査・診断料
・インプラント体
・アバットメント
・上部構造
・埋入手術
・局所麻酔
・静脈内鎮静法
・サージカルガイド
・骨造成
・仮歯
・薬
・術後の診察
・保証
・メンテナンス
追加費用が発生する可能性がある場合は、条件と金額の目安も尋ねておきましょう。
使用するインプラントメーカーと被せ物の素材を確認する
インプラントメーカーや上部構造の素材について説明を受け、費用とのバランスを確認しましょう。
インプラント体では、臨床データ、国内での流通状況、交換部品の供給体制などが確認項目になります。
上部構造では、見た目、強度、摩耗のしやすさ、破損した際の修理方法などを確認してください。
高価な製品を選ぶだけで、将来のトラブルを防げるわけではありません。治療部位や噛み合わせに適しているかを歯科医師に尋ねましょう。
症例数だけでなく担当医の経験と説明内容を確認する
歯科医院が公表している症例数は、治療経験を判断する目安の一つです。
ただし、「症例」の数え方は歯科医院によって異なり、患者数、手術件数、埋入本数などが混在している場合があります。症例数だけで治療の質を判断することはできません。
自分と似た症例の治療経験、担当医の研修歴や資格、難しい症例への対応方針、合併症が起きた場合の対応体制なども確認してください。
検査結果や治療の選択肢、リスク、費用を分かりやすく説明してくれるかも、重要な判断材料です。
保証期間と保証の適用条件を確認する
保証は、期間だけでなく適用条件まで確認する必要があります。
定期メンテナンスの受診、禁煙、歯ぎしり対策用マウスピースの使用などが条件になっている場合があります。
インプラント体と上部構造で保証期間が異なる場合や、年数の経過に応じて自己負担の割合が増える場合もあります。
治療前に保証書や保証規定を確認し、不明点を解消しておきましょう。
メンテナンスの頻度と費用を確認する
インプラント治療後は、毎日のセルフケアに加え、歯科医院での定期的な管理が必要です。
メンテナンスの頻度は、歯周病歴、喫煙の有無、清掃状態、噛み合わせ、残っている歯の状態などによって異なります。
1回あたりの料金、検査やクリーニングの内容、保証を維持するために必要な受診頻度を確認してください。
必要に応じて複数の歯科医院で相談する
治療方針や費用に疑問がある場合は、別の歯科医院でセカンドオピニオンを受ける方法もあります。
複数の歯科医院で説明を受けると、治療内容、費用、使用するインプラント、保証などの違いを比較できます。
ただし、最も安い見積もりを探すことだけを目的にせず、検査結果や治療計画の違いについて説明を受け、納得できる治療方法を検討しましょう。
インプラントの費用負担を抑える・分散する方法
インプラント治療は高額になりやすいものの、医療費控除や分割払いを利用することで、実質的な負担を軽減したり、一度に支払う金額を分散したりできる場合があります。
主な方法は、以下のとおりです。
・医療費控除を利用する
・デンタルローンや分割払いを利用する
・治療内容と追加費用を事前に確認する
それぞれ解説します。
医療費控除を利用する
治療目的で行われ、病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない歯科治療費は、医療費控除の対象になることがあります。治療目的のインプラント治療も、対象になる可能性があります。
医療費控除額は、原則として以下の計算式で求めます。
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填された金額-10万円
ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引きます。控除額の上限は200万円です。
医療費控除は、支払った医療費がそのまま返金される制度ではありません。所得から一定額を差し引く所得控除であるため、実際に軽減される税額や還付額は、所得や納税額によって異なります。
申告に備え、領収書や医療費控除の明細書、通院に利用した公共交通機関の費用の記録などを保管しておきましょう。
デンタルローンや分割払いを利用する
デンタルローンやクレジットカードの分割払いを利用すると、治療費を複数回に分けて支払えます。
ただし、分割払いは治療費そのものを安くする方法ではありません。金利や分割手数料により、一括払いよりも総支払額が増えることがあります。
利用前に、実質年率、手数料、返済回数、月々の返済額、総支払額を確認してください。
歯科ローンを利用した場合は、信販会社が歯科医院へ立替払いをした年の治療費が医療費控除の対象になります。ただし、ローンの金利や手数料は対象外です。
治療内容と追加費用を事前に確認する
治療を開始する前に見積書を受け取り、追加費用が発生する条件を確認しましょう。
骨造成、静脈内鎮静法、サージカルガイド、仮歯、薬、術後の診察などが、当初の見積もりに含まれているかを確認してください。
事前に確認しても、口腔内の状態変化などによる治療計画の変更を完全に防ぐことはできません。しかし、追加処置の条件や料金について説明を受けておけば、想定外の支出が生じる可能性を抑えられます。
インプラントの値段の違いに関するよくある質問
インプラントの費用や価格差について、よくある質問に回答します。
インプラント1本60万円は高いですか?
1本60万円という金額だけでは、高いか適正かを判断できません。
検査・診断料、インプラント体、埋入手術、アバットメント、上部構造、骨造成、麻酔、仮歯、保証など、どの費用が含まれているかを確認する必要があります。
前歯など見た目への配慮が必要な部位や、骨造成などの追加処置が必要な症例では、総額が60万円以上になることもあります。
見積書の内訳と治療内容を確認し、疑問が残る場合は別の歯科医院でも相談しましょう。
1本10万円台のインプラントを選んでも大丈夫ですか?
1本10万円台と表示されている場合は、その金額に含まれる内容を確認してください。
インプラント体のみの価格なのか、検査、手術、アバットメント、上部構造まで含む総額なのかによって、実際の支払額は異なります。
使用するメーカー、検査・診断内容、感染対策、保証、メンテナンスについて説明を受けることも重要です。
安いことだけを理由に危険と判断する必要はありませんが、金額だけで治療を決めるのは避けましょう。
前歯と奥歯ではどちらの値段が高くなりますか?
前歯と奥歯のどちらが高くなるかは、歯科医院の料金体系や患者さんの状態によって異なります。
前歯では、上部構造の色や形、歯肉のラインなど、見た目への配慮が必要です。骨や歯肉の造成、仮歯の調整が必要になると、費用が高くなることがあります。
一方、上顎の奥歯では、骨の高さが不足してサイナスリフトやソケットリフトが必要になる場合があります。
治療部位だけで判断せず、必要な追加処置を含めた総額を確認しましょう。
見積もりより費用が高くなることはありますか?
術前検査をもとに必要な処置を把握し、治療計画と見積もりを作成します。
ただし、治療途中の状態変化や、事前の検査だけでは判断できなかった状況により、治療計画が変更されることがあります。
追加処置を提案された場合は、必要な理由、ほかの選択肢、追加費用について説明を受け、同意したうえで治療を進めてください。
インプラント治療に健康保険は適用されますか?
一般的なインプラント治療は、原則として健康保険が適用されない自由診療です。
虫歯や歯周病によって歯を失った場合の通常のインプラント治療は、基本的に全額自己負担となります。
一方、腫瘍、外傷、顎骨骨髄炎、先天性疾患などにより顎の骨を広範囲に失った場合は、症例要件と医療機関の施設基準を満たすことで、健康保険が適用されることがあります。
保険適用の可否は、症例や受診する医療機関によって異なります。担当の歯科医師にご相談ください。
高いインプラントほど長持ちしますか?
価格が高いインプラントほど、必ず長持ちするとは限りません。
メーカーの臨床データや部品供給体制は重要ですが、インプラントの長期的な安定性には、顎の骨や歯肉の状態、全身疾患、喫煙、歯周病歴、埋入位置、噛み合わせ、毎日の清掃、定期的なメンテナンスなども関係します。
価格だけでなく、自分の状態に合った治療計画が立てられているか、治療後の管理を継続できるかを確認しましょう。
まとめ|インプラントは値段だけでなく治療内容と総額で比較しよう
インプラントの値段は、使用するメーカー、上部構造の素材、検査・診断内容、症例の難易度、追加処置、保証、メンテナンスなどによって異なります。
広告の表示価格には、検査・診断料、アバットメント、上部構造、麻酔、骨造成、術後の診察などが含まれていない場合があります。「1本○万円」という金額だけで歯科医院を比較せず、治療完了までに必要な費用の内訳を確認することが重要です。
また、価格が高ければ必ず長持ちするわけではなく、低価格の治療がすべて危険というわけでもありません。
使用するインプラント、検査・診断方法、感染対策、担当医の経験、保証内容、治療後のメンテナンス体制について説明を受け、自分に必要な治療内容と総額を理解したうえで選択しましょう。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
歯のお悩みはよしひろ歯科クリニックへ
詳細:インプラント治療
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