奥歯4本のインプラント治療にかかる費用相場や期間、リスクを解説
奥歯4本をインプラント治療することに興味があり、費用や治療期間、リスクについて不安を感じていませんか?
治療を受ける前に、これらのポイントをしっかりと把握しておくことが大切です。しかし、実際には治療費がどれくらいかかるのか、治療期間はどれくらい必要なのか、どんなリスクがあるのかなど、気になることが多いものです。
この記事では、奥歯4本のインプラント治療にかかる費用相場や治療期間、リスクについて、具体的に解説します。特に、治療前に確認しておくべき重要なポイントや、リスクを回避するための方法についても紹介します。これを読むことで、治療に対する不安を減らし、適切な準備ができるようになるでしょう。
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奥歯4本をインプラント治療する場合の選択肢
奥歯を失った場合、インプラント治療には主に2つの選択肢があります。それぞれに特徴があり、治療の内容や費用、効果が異なります。どちらの方法が適しているかは、患者さんの状態や希望に応じて決めることが重要です。
・失った歯1本ごとにインプラントを埋入する
・All-on-4(オールオン4)
失った歯1本ごとにインプラントを埋入する
失った奥歯1本ごとにインプラントを1本ずつ埋め込む方法では、安定した噛み心地が得られます。奥歯は食事の際に強い力がかかるため、1本ずつしっかりと固定することで、噛む力に耐えることができます。
さらに、インプラントが個別に埋め込まれるため、もし問題が生じても他のインプラントに影響を与えることなく、修正が可能です。安定性を重視する奥歯の治療に適しています。
All-on-4(オールオン4)
オールオン4は、4本のインプラントを使ってすべての歯を支える方法です。
この治療法は、上下どちらかの顎の歯が全て失われた場合に一般的に使用されます。
オールオン4は、複数本のインプラントを一度に埋め込むため、治療期間を短縮し、骨移植などの費用を抑えることができるというメリットがあります。
しかし、奥歯4本のみを対象とする場合は、通常、個別のインプラント治療が選ばれることが多いです。治療全体を効率的に進めることができる方法です。
奥歯4本をインプラントにする場合の費用相場
奥歯4本のインプラント治療には、通常のインプラント治療とオールオン4の2つの方法があります。
それぞれの方法には異なる費用がかかりますが、治療の内容や使用する材料によって費用が大きく変動します。
・通常のインプラント治療
・All-on-4(オールオン4)
通常のインプラント治療
通常のインプラント治療では、奥歯4本に対して1本ずつインプラントを埋め込む方法が取られます。
この治療方法の費用は、1本あたり30万円〜60万円程度が相場となり、4本で120万円〜200万円ほどかかることが一般的です。
費用の内訳としては、インプラント体(人工歯根)が治療費全体の50〜60%を占めます。
また、インプラントの上部構造(人工歯)は、材質によって価格が異なり、セラミックやジルコニアなどの高品質な素材を使用すると費用が増加します。
そのほか、診断料やCTスキャン、麻酔代、メンテナンス費用なども含まれます。
All-on-4(オールオン4)
オールオン4は、片顎のすべての歯を支えるために4本のインプラントを使用する治療方法です。
通常、奥歯だけでなく、前歯も含めた片顎全体を治療するため、治療費用は一般的に200万円〜400万円程度となります。
オールオン4は、従来のインプラント治療に比べて、1回の手術で多くの歯を補うことができ、治療期間も短縮されるという利点があります。
しかし、片顎全体の治療を行うため、通常のインプラント治療よりも費用が高額になります。治療には、インプラント体の他に、人工歯やその他の処置にかかる費用が含まれます。
関連記事:オールオン4の費用相場はいくら?価格を抑えるポイント
奥歯4本をインプラントにする場合の治療期間
奥歯4本のインプラント治療にかかる期間は、治療方法や患者さんの口腔内の状態によって異なります。
通常のインプラント治療とオールオン4では、治療期間に大きな違いがあります。
・通常のインプラント治療
・All-on-4(オールオン4)
通常のインプラント治療
通常のインプラント治療においては、奥歯4本のインプラントを埋入してから人工歯を装着するまで、一般的に6ヶ月から1年程度の治療期間がかかります。
治療期間が長くなる主な理由は、インプラントが顎の骨としっかり結合する「治癒期間」が必要だからです。この期間中、インプラントは骨に完全に定着し、安定した噛み心地を実現します。
治療が進むにつれて、仮歯を装着して日常生活を送ることができますが、最終的な人工歯の装着には時間がかかることが多いです。
治療期間を短縮するためには、患者さんの骨の状態やインプラントの埋入方法に注意が必要です。
例えば、骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに治療期間が延びることがあります。
All-on-4(オールオン4)
オールオン4の治療は、通常のインプラント治療に比べて治療期間が短いのが特徴です。
オールオン4では、手術当日にインプラントの埋入から仮歯の装着まで行うことができるため、手術後すぐに見た目や噛む機能が回復します。
治療後、インプラントが顎の骨と結合するまでの治癒期間は通常3ヶ月〜6ヶ月程度ですが、この間も仮歯で生活できます。
最終的な人工歯の装着までの期間は、3ヶ月〜1年程度で、患者さんの骨の状態や治療計画によって異なります。
オールオン4は、短期間で結果が得られるため、治療を急ぐ患者さんには特に適しています。
奥歯4本のインプラント治療の選び方
奥歯4本のインプラント治療を選ぶ際には、患者さんの口腔内の状態や治療の目的に応じて適切な治療法を選ぶことが大切です。
・通常のインプラント治療
・ All-on-4(オールオン4)
通常のインプラント治療
通常のインプラント治療は、1本または複数の歯を失った場合に適しています。
奥歯4本を失った場合、それぞれにインプラントを埋め込む治療方法です。
歯1本ごとの機能回復と自然な見た目を重視している方に向いています。
インプラントは顎の骨にしっかりと結合し、長期的に安定した噛み心地を提供します。
治療の利点は、噛む力を安定させることができ、周囲の歯への負担を軽減する点です。
個別にインプラントを埋め込むため、修正が必要な場合も他の歯に影響を与えることが少なく、メンテナンスも比較的簡単です。
しかし、治療期間は長くなり、場合によっては骨造成が必要になることもあります。
All-on-4(オールオン4)
オールオン4は、片顎または全顎の歯が失われた場合に適した治療方法で、4本のインプラントで一度に多くの歯を支えることができます。
主に、歯周病などで全顎的に歯を抜かなければならない方や、短期間で噛む機能を回復したい方におすすめです。
治療は、手術当日にインプラントを埋め込み、仮歯を装着することで、即日から噛む機能と見た目が回復します。
オールオン4のメリットは、治療期間が短縮でき、手術の負担が軽減される点です。
しかし、奥歯4本だけを対象にする場合は、通常のインプラント治療が適している場合が多く、オールオン4は選ばれません。
全体的な治療を行う場合に特に効果を発揮します。
インプラント治療費用を抑えるためのポイント
インプラント治療の費用を抑えるためには、事前に複数の歯科医院を比較し、治療計画をしっかり確認したり、利用可能な支払い方法を活用することが重要です。
以下のポイントを押さえることで、治療費を効果的に抑えることができます。
・複数の歯科医院を比較検討する
・治療計画を十分に確認する
・医療費控除や分割払いを利用する
複数の歯科医院を比較検討する
インプラント治療を受ける前に、複数の歯科医院を比較することで、費用や治療内容の違いを把握することができます。
歯科医院ごとに料金体系や治療方法が異なるため、複数の医院でカウンセリングを受け、見積もりを取ることが重要です。
比較することで、治療内容が自分のニーズに合っているか確認でき、無駄な費用を避けることができます。
また、歯科医院の設備や技術、スタッフの対応を確認し、信頼できる医院を選ぶことが大切です。
治療計画を十分に確認する
治療費用を抑えるためには、最適な治療計画を立てることが必要です。
自身の口腔内の状態に合わせて治療方法を選択することで、不要な処置を避け、無駄なコストを削減できます。
例えば、骨造成が必要な場合や、複数本を一度に治療する方法など、治療内容により費用は異なります。
治療計画を十分に確認し、納得できる方法を選ぶことが費用を抑えるポイントとなります。
医療費控除や分割払いを利用する
インプラント治療は自由診療のため、医療費控除を利用することで税金の還付を受けることができる場合があります。
治療費が高額になることが多いため、医療費控除を活用し、負担を軽減することができます。
また、分割払いが可能な歯科医院もあるため、一度に支払う金額を分けて負担を減らすことができます。
治療費の支払い方法を事前に確認し、計画的に支払うことで、経済的な負担を抑えることができます。
奥歯のインプラント治療における主なリスク
奥歯のインプラント治療にはいくつかのリスクが伴います。
治療を受ける前に、これらのリスクを理解し、適切な対策をすることが重要です。以下は、主なリスクとその理由です。
・骨の量が不足している
・神経や血管の損傷
・インプラント周囲炎
・喫煙や全身疾患による影響
・噛み合わせの不具合や破損
骨の量が不足している
奥歯を失うと、顎の骨が痩せやすくなります。
特に、上顎には上顎洞という空洞があり、インプラントを埋め込むための骨が不足することがあります。
下顎には神経が通っており、神経を避けてインプラントを埋入する必要があるため、骨の量が不足している場合には追加の手術が必要になります。
骨造成などの処置が施されることが多く、時間と費用がかかります。
神経や血管の損傷
下顎の奥歯周辺には、下唇や顎、舌の感覚をつかさどる神経が通っています。
神経を傷つけると、麻痺やしびれが生じるリスクがあります。また、血管を傷つけると出血を引き起こすことがあります。
これらを避けるため、治療前に歯科用CTで神経や血管の位置を正確に確認することが不可欠です。
適切な計画を立て、精密な手術を行うことで、このリスクを最小限に抑えることができます。
インプラント周囲炎
インプラントは天然の歯に比べて細菌への抵抗力が弱いため、毎日の歯磨きやフロスが不十分だと、インプラント周囲炎を引き起こすリスクがあります。
歯周病に似たもので、インプラントを支える骨が溶け、最終的にインプラントが脱落する可能性があります。
インプラントを長期間維持するためには、口腔ケアを徹底し、定期的に歯科医院でチェックを受けることが重要です。
喫煙や全身疾患による影響
喫煙はインプラント治療の成功率を大きく低下させます。タバコの煙に含まれる有害物質が骨の治癒を妨げ、インプラントがしっかりと顎の骨に結合するのを阻害する可能性があります。
また、糖尿病や心疾患、骨粗しょう症などの持病がある場合も、インプラントが骨としっかり結合しにくく、感染リスクを高めることがあります。
治療前に健康状態を確認し、必要に応じて治療方法を調整することが求められます。
噛み合わせの不具合や破損
奥歯は食事の際に強い力がかかるため、インプラントの噛み合わせが適切でないと、顎関節や他の健康な歯に負担がかかります。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、インプラントやその上に被せる人工歯が破損したり脱落したりするリスクが高まります。
適切な噛み合わせを確保し、必要に応じてマウスピースなどを使用して保護することが大切です。
インプラント治療のリスクを回避するために重要なこと
インプラント治療のリスクを回避するためには、事前の精密な検査、経験豊富な歯科医師の選択、丁寧なカウンセリング、そして治療後の定期的なメンテナンスが不可欠です。
これらのポイントを徹底することで、治療の成功率を高め、長期的に安定した結果を得ることができます。
・歯科用CTによる精密な検査
・経験豊富な歯科医師の選択
・事前の丁寧なカウンセリング
・治療後の定期的なメンテナンス
歯科用CTによる精密な検査
治療前に歯科用CTを使用した精密な検査を行うことが非常に重要です。
この検査により、顎の骨の量や形状、神経や血管の位置を正確に把握できます。
骨が不足している場合や神経の位置が近い場合、インプラントの埋入位置や手術方法を変更する必要があるため、事前にしっかりと確認することがリスク回避につながります。
CT検査を行うことで、治療計画をより正確に立て、手術の安全性を確保することができます。
経験豊富な歯科医師の選択
インプラント治療には高い技術と豊富な経験が求められます。
特に奥歯のインプラントは難易度が高いため、実績のある歯科医師を選ぶことが重要です。
インプラント治療を行う歯科医師の実績や専門性を確認し、過去の症例について相談することで、安心して治療を受けることができます。
経験豊富な歯科医師は、手術中のトラブルや予期しない事態にも柔軟に対応できるため、リスクを最小限に抑えることができます。
事前の丁寧なカウンセリング
治療に進む前に、リスクや治療計画、費用について十分に説明を受け、納得したうえで治療を開始することが大切です。
カウンセリングを通じて、自分の口腔内の状態や治療の目的、使用する材料について理解を深めることができます。
また、治療後のアフターケアやメンテナンスについても説明を受けて、長期的に安心してインプラントを維持できる方法を知ることができます。
カウンセリングで不安や疑問を解消することで、治療への信頼が高まります。
治療後の定期的なメンテナンス
インプラントを長期的に維持するためには、治療後の定期的なメンテナンスが不可欠です。
治療後に歯科医院で定期的なクリーニングや検診を受けることで、インプラント周囲炎や他のトラブルを早期に発見し、対応することができます。
定期的なチェックを受けることで、インプラントの状態を維持し、長期間にわたり良好な状態を保つことができます。
まとめ
奥歯4本のインプラント治療には、費用、期間、リスクに関して十分な理解が必要です。
費用相場は治療方法や医院によって異なりますが、通常のインプラント治療は1本あたり30万円〜60万円、オールオン4は片顎で200万円〜400万円程度となります。
治療期間は通常のインプラント治療が6ヶ月〜1年、オールオン4は3ヶ月〜1年の間で完了します。
治療における主なリスクとしては、骨の量が不足していること、神経や血管の損傷、インプラント周囲炎などが挙げられます。
しかし、事前に精密な検査を受け、経験豊富な歯科医師を選ぶことでリスクを最小限に抑えることができます。
治療を受ける前に、これらの費用やリスクをしっかりと把握し、カウンセリングで十分に確認することが重要です。
定期的なメンテナンスを行うことで、インプラントを長期間維持することができます。
インプラント治療を検討している方は、事前に十分な情報を得て、安心して治療を受ける準備をしましょう。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
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