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前歯にインプラントができない場合とは?原因と対処法を解説

インプラント
前歯にインプラントができない場合とは?原因と対処法を解説

「前歯にインプラントができない」と歯科医師から言われて困っていませんか?

前歯を失った際、見た目や噛む機能を取り戻すためにインプラント治療を検討している方は多いでしょう。

しかし実は、すべての方が前歯のインプラント治療を受けられるわけではありません。

「なぜ前歯にインプラントができないのか?」

「インプラントができない場合、他にどんな治療法があるのか?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は以下の内容について詳しく解説します。

・前歯のインプラントができないと言われる主な理由
・前歯をインプラントにするメリットとデメリット
・前歯のインプラントが難しい場合の治療法
・インプラント治療ができない場合

この記事を読めば、前歯のインプラント治療についての正しい知識が身につき、自分に合った治療法を選ぶ参考になるでしょう。

前歯のインプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

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前歯のインプラントができないと言われる主な理由

前歯にインプラントができないと言われる理由はいくつかあります。

主な原因を見ていきましょう。

 

顎の骨や歯ぐきが薄い・骨量が不足している

前歯はもともと顎の骨が薄く、歯周病や抜歯後の骨吸収によってさらに骨量が減ることが多いです。

インプラントは十分な骨量がないと固定できず、骨が薄いとインプラントの先端が歯ぐきから飛び出したり、上顎洞に突き抜けたりする危険があります。

抜歯から3~6ヶ月で骨は水平方向に約30%、垂直方向に約1.5~2.0mmも減ってしまいます。

長く入れ歯を使っていた方も、骨が圧迫されて薄くなっていることが多いです。

インプラントを埋める際は、通常5mm以上の骨の厚みと10mm程度の高さが必要ですが、前歯部ではこの条件を満たせないケースがよくあります。

 

審美性の確保が難しい

前歯は目立つ部分のため、インプラントの角度や人工歯の色・形が少しでもずれると見た目に違和感が出やすいです。

高い技術と見た目への配慮が必要になるため、どこの歯科医院でも簡単にできるわけではありません。

また人工歯の色や形、大きさを隣の自分の歯と合わせるのも難しいです。

特に1本だけインプラントにする場合は、違和感が出やすいです。さらに歯ぐきのラインを自然に見せるのも簡単ではありません。

歯ぐきが下がってインプラントの金属部分が見えてしまうこともあります。

こういった問題に対応するには、3Dでの詳しい検査と計画、高い技術が必要です。

 

神経や重要な組織が近い

前歯の神経は表面に近い場所にあるため、インプラント手術のときに傷つけてしまうリスクがあります。

もし神経を傷つけると、手術後にしびれや痛みが出る可能性があり、特に「切歯管(せっしかん)」という神経は要注意です。

また、上の前歯の場合は、鼻の空洞や「上顎洞」がすぐ近くにあり、骨が薄いと手術中に穴が開いてしまうリスクもあるのです。

リスクを避けるためにも、手術前にはCT検査でしっかり立体的に確認してもらいましょう。

 

骨造成が必要な場合が多い

骨が薄い・高さが足りない場合は「骨造成(GBR法)」などの骨を増やす処置が必要となり、治療期間が延びる・費用が高くなるなどの負担が増します。

前歯部では骨が足りないため、約60~70%のケースで骨造成という骨を増やす処置が必要になります。

骨造成をすると治療期間は3~6ヶ月長くなり、費用も30~50万円ほど増えるのが一般的です。

また骨造成の成功率は歯科医師の腕や患者さんの体の状態によって変わってきます。

 

歯周病や外傷などの既往歴

歯周病や外傷、歯根破折などで骨が大きく失われている場合、インプラントができないこともあります。

重度の歯周病があると、残った歯周病菌がインプラント周囲炎を起こす危険が健康な人の約4.7倍になります。

また前歯は打撲などで傷つきやすい部分です。

外傷で骨が大きく欠けている場合や、歯の根が割れて感染した場合は、骨や歯ぐきの状態が悪くなっていることが多く、インプラント治療が難しくなります。

こういった問題がある場合は、まず歯周病の治療や口の中の環境改善が先決です。

 

前歯をインプラントにするメリット

前歯をインプラントにすると、どんなよいことがあるのでしょうか?主なメリットを見ていきましょう。

 

自然な見た目

前歯のインプラント治療は、天然歯とほとんど区別がつかないほど自然な見た目を再現できます。

セラミックの人工歯は透明感や色合いが本物の歯に近く、歯と歯ぐきのラインもきれいに仕上がります。

前歯は人からよく見える部分なので、見た目の美しさは自信回復にもつながりやすいのです。

多くの臨床報告でも、オールセラミッククラウンを使ったインプラントは、隣の自分の歯との区別がつきにくいほどの美しさを実現できると評価されています。

 

周囲の歯に優しい

インプラント治療は周りの健康な歯を守れるのが大きな利点です。

ブリッジなら隣の健康な歯を削らないといけませんが、インプラントはその必要がありません。

また、欠損部分の骨が減るのを防ぐので、長い目で見ると周りの歯への負担も減らせます。入れ歯のようにバネで他の歯に負担をかけることもありません。

インプラント周囲の歯は95%以上残っているというデータがあります。

これはインプラントが周りの歯の寿命を延ばす効果があることを示しています。

 

高い咀嚼力

インプラントは噛む力がとても強いです。

チタン製のインプラントが骨と直接くっつくため、自分の歯の約90〜95%の噛む力を取り戻せます。

前歯は食べ物を噛み切る大切な役割を担っているので、この強さは大きな魅力です。

また、固定式なので入れ歯のようにずれたり動いたりせず、安心して食事を楽しめます。

きちんと埋め込まれたインプラントは天然の歯とほぼ同等の40kg〜60kgもの噛む力に耐えられるともいわれています。

 

長期間の使用が可能

インプラントは長く使えるのも魅力です。

骨の状態が良好な場合、10年後の残存率は約95%です。きちんとお手入れすれば20年以上使えるケースも多いです。

これは他の治療法と比べてとても高い数字で、長い目で見るとコスパの良さにつながります。

インプラント治療から20年経っても70%以上が機能しているという結果もあります。

 

前歯をインプラントにするデメリット

前歯のインプラント治療にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

治療を考える前に、しっかり理解しておきましょう。

 

治療期間が長い

インプラント治療は時間がかかります。

インプラントを埋めてから人工の歯を取り付けるまでに、骨とインプラントがしっかりくっつく(オッセオインテグレーション)のを待つ必要があり、これには通常3〜6か月かかります。

特に前歯は見た目が大事なので、仕上がりの調整に時間をかけることも多いです。

さらに骨を増やす処置(骨造成)が必要な場合は、3〜6か月の治癒期間が追加で必要になります。

この間、仮歯を入れるので日常生活には大きな支障はありませんが、何度も通院する必要があります。

 

費用が高い

インプラント治療は保険が効かないため、費用負担が大きいです。

前歯1本のインプラントで約30〜50万円かかり、骨造成が必要だとさらに15〜30万円追加されます。

CT検査や手術用のガイド作製で約2〜5万円、さらに定期メンテナンスのために年間約1〜3万円の費用もかかります。

ブリッジ(約10〜15万円)や部分入れ歯(約5〜10万円)と比べるとかなり高額です。

長く使えるのでコスパが良いとはいえ、初期費用の負担は覚悟しておく必要があります。

 

外科手術が必要

インプラント治療には外科手術が欠かせません。

局所麻酔をして歯ぐきを切開し、骨を削ってインプラントを埋め込みます。

手術後は腫れや痛みが3〜7日ほど続くのが一般的です。

また、糖尿病や心臓病などの持病がある方は手術のリスクが高まる可能性もあるでしょう。

手術の合併症は約5%程度と言われていますが、適切な計画と技術によってほとんどは防げます。

手術が不安な方は、静脈内鎮静法(うとうとした状態で手術を受ける方法)を使用できる場合もあります。

 

メンテナンスが必要

インプラントを長持ちさせるには、日頃のお手入れが欠かせません。

専用の歯ブラシやフロスでの毎日の清掃と、3〜6か月ごとの歯科医院でのプロのクリーニングが必要です。

また定期的なレントゲン検査で骨の状態をチェックすることも大切です。

研究によると、定期的にメンテナンスを受けている患者さんのインプラント周囲炎(インプラント周りの炎症)の発生率は約4〜5%ですが、メンテナンスを受けていない場合は約20〜25%に跳ね上がります。

つまり、定期的な通院の手間と費用を覚悟しておく必要があります。

 

関連記事:前歯をインプラントにするメリットとデメリットを解説

 

前歯のインプラントが難しい場合の治療法

前歯のインプラントができないと言われても、他の治療法で機能と見た目を取り戻せます。

主な代替治療について説明します。

 

骨造成

顎の骨の厚みや量が足りない場合は、骨を増やす治療(骨造成)を行うとインプラントが可能になる場合があります。

骨造成には、GBR法(骨再生誘導法)、ソケットリフト、サイナスリフトなど3つの方法があります。

GBR法は特殊な膜を使って骨の再生を促し、前歯の横方向の骨を増やすのに効果的です。

ソケットリフトはインプラントを埋める時に同時に骨の材料を入れる方法で、骨の高さが少し足りない場合に適しています。

骨造成後、インプラントを埋めるまでには通常数ヶ月の治癒期間が必要です。

 

ブリッジ

前歯のインプラントが難しい場合、両隣の歯を削って支えにするブリッジという選択肢もあります。

ブリッジのよい点は、治療期間が短い(約2〜4週間)ことです。また手術が不要で、費用もインプラントより安い(約10〜15万円)のがメリットです。

ただし、健康な隣の歯を削らなければならず(通常、歯の約15〜30%を削ります)、支台となる歯に負担がかかるという欠点もあります。

ブリッジの平均寿命は約10年程度で、長い目で見ると支台の歯が虫歯になったり、歯の根が割れたりするリスクが高まります。

特に隣の歯が健康で虫歯や詰め物がない場合は、削ることによる将来的なリスクをよく考えることが大切です。

また3歯以上の長いブリッジは成功率が下がるので注意が必要です(5年後の残存率約80%、10年後の残存率約60%)。

 

入れ歯

部分入れ歯も前歯の欠損に対する選択肢の一つです。

メリットは手術が不要で体への負担が少ないことです。

費用も比較的安く(約5〜10万円)、骨の状態に関わらず作れます。

修理や調整も比較的簡単なのが特徴です。

一方で、装着感や異物感があるのがデメリットです。噛む力もインプラントやブリッジより弱く(自分の歯の約30〜60%)、バネが目立つ場合もあります。

また定期的な調整も必要になります。

最近は見た目にこだわった部分入れ歯も増えていて、金属のバネを使わない「ノンクラスプデンチャー」や柔らかい素材の「フレキシブルデンチャー」など、審美性を高めた選択肢も広がっています。

さらに、インプラントを1〜2本埋めて入れ歯の安定性を高める「インプラントオーバーデンチャー」という方法もあります。

少ないインプラントで入れ歯の安定性と快適さを向上させられます。

 

インプラント治療ができない場合

インプラント治療ができない体質や状態があります。以下のケースでは前歯のインプラント治療ができないか、慎重な判断が必要です。

・骨粗鬆症などで骨密度が低い場合
・18歳以下の未成年
・重度の歯周病や虫歯など口腔内の状態が悪い場合
・重度の糖尿病や高血圧などの全身疾患がある場合
・妊娠中

その他にも、ヘビースモーカー(1日20本以上)やひどい歯ぎしり・食いしばりがある方、免疫抑制剤を長期服用中の方も注意が必要です。

上記にあてはまる状況でも、症状の程度や全身状態によってはインプラント治療が可能な場合もあります。

歯科医師としっかり相談し、必要に応じて内科医との連携も含めた総合的な判断が大切です。

 

関連記事:前歯のインプラント失敗例と原因、対処法を徹底解説

 

まとめ

前歯のインプラント治療は、見た目や噛む機能を自然に回復できる優れた選択肢ですが、すべての方に適しているわけではありません。

骨粗しょう症、未成年、重度の歯周病、全身疾患、妊娠中などの状態では、インプラント治療が難しい場合があります。

そのため、前歯のインプラント治療が可能かどうかは、自分で判断せず、必ず歯科医師に相談しましょう。

場合によっては骨造成などの追加処置で対応できることもあります。

大切なのは、信頼できる歯科医師と一緒に、自分の口腔状態に最適な治療法を選ぶことです。

どのような治療法を選択しても、日々の歯磨きと定期検診が治療結果を長持ちさせる鍵となります。

前歯を失って悩んでいる方は、本記事で得た知識をもとに、まずは歯科医院でCTなどの精密検査を受け、自分に合った最適な治療法を見つけてください。

 

監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)

前歯にインプラントができない場合とは?原因と対処法を解説

医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長

1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院

 

資格

・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医

 

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